日米大型投資の裏側 ― 本当に日本にとってメリットがあるのか
2026-03-22
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日米大型投資の裏側 ― 本当に日本にとってメリットがあるのか
最近、Financial Timesの記事を読み、日米間の大型投資合意について考えさせられました。
今回の合意では、日本が約5500億ドル規模の対米投資を行い、その見返りとして関税の引き下げなどを得るという構造になっています。表面的には、双方にメリットがある「Win-Win」の関係に見えます。
しかし、記事の中身を見ていくと、少し違った姿が見えてきます。
最初のプロジェクトとして取り上げられているのは、アメリカ・オハイオ州のガス発電所です。この案件で注目されているのが、ソフトバンクの役割です。
ソフトバンクはこのプロジェクトの開発・運営に関与しますが、自ら大きな資金を出すわけではありません。それにもかかわらず、巨額の手数料を受け取る構造になっていると報じられています。
ここで考えたいのは、ビジネスの基本です。
通常、リスクを取る者がリターンを得ます。しかし今回の構造は、
* 投資資金は日本
* プロジェクトの主導権はアメリカ
* 手数料はソフトバンク
* プロジェクトの主導権はアメリカ
* 手数料はソフトバンク
という形に見えます。
このような構造は、本当に健全な投資と言えるのでしょうか。
さらに、プロジェクトの選定権がアメリカ側にあることや、利益配分が長期的にアメリカ有利になる可能性も指摘されています。日本が資金を出す一方で、コントロールやリターンが限定されるのであれば、それは「投資」というより「資金提供」に近いものかもしれません。
もちろん、日本にとって自動車関税の問題は重要です。そのための交渉として一定の譲歩は理解できます。
しかし、ここで一度立ち止まって考える必要があります。
日本は投資家なのか、それとも資金提供者なのか?
この違いは、長期的に見て非常に大きな意味を持ちます。
今回の件は、単なる一つのプロジェクトではなく、これからの日米関係、そして日本の経済的な立ち位置を考える上で重要な示唆を与えていると感じています。
感情的な議論ではなく、構造として冷静に見ることが必要です。そして何より、こうした仕組みについて、国民に対する十分な説明が求められるべきだと思います。
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