「なんだ、この飲み物は?」
2026-07-13
「なんだ、この飲み物は?」...

初めて飲んだルートビール
40年以上前、私が初めてアメリカを訪れたときのことです。場所はハワイでした。
 
当時15歳だった私は、自動販売機で「ROOT BEER」と書かれた缶を見つけました。「ビール」と書いてあるので、これはアメリカのビールなのだろうと思い、興味本位で買ってみました。
 
もちろん、15歳の私でも自動販売機で普通に買えたのですから、お酒ではありません。
 
缶を開けて一口飲んだ瞬間、私は驚きました。
 
「なんだ、この飲み物は?」
 
薬のような、湿布のような、歯磨き粉のような、今まで経験したことのない味でした。正直に言えば、吐きそうになり、それ以上飲むことができませんでした。
 
ルートビールは、北米で生まれた炭酸飲料です。「ルート」とは植物の根を意味します。もともとはサッサフラスやサルサパリラなどの根、樹皮、ハーブ、スパイスを煮出し、発酵させて作られていました。先住民が利用していた植物の飲み物を基礎に、19世紀のアメリカで商品化されたといわれています。
 
名前に「ビール」とありますが、現在一般に販売されているルートビールは基本的にノンアルコールのソフトドリンクです。昔の製法では軽く発酵させていたため、「ビール」という名前が残ったようです。
 
独特の香りの正体の一つがウィンターグリーンです。この香りは湿布やマウスウォッシュにも使われるため、初めて飲む日本人の多くが「薬の味がする」と感じるのだと思います。
 
ところが不思議なもので、今では私はルートビールが大好きです。
 
特に、バニラアイスを浮かべた「ルートビア・フロート」は、いかにもアメリカらしいデザートです。最初はとても飲めなかった味が、いつの間にか懐かしいアメリカの味になりました。
 
味覚も文化も、一度の経験だけでは分からないものです。初めてルートビールを飲んだ15歳の私に、将来これが好きになると言っても、絶対に信じなかったでしょう。
 
 





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